特殊人孔開口検討


■特殊人孔(マンホール)構造設計 /開口部がある場合の設計方法
~特殊人孔開口およびマンホール開口 に関する基準書のご紹介~

1.東京都下水道局
特殊人孔は、管渠施設であることから必ず底版付近の側壁には、管渠接続に伴う開口が設けられる。特殊な事例で、例えば接続管渠が同一深度で、3本以上流入している場合や、管渠同士の間隔が非常に狭く、間に挟まれた側壁幅が非常に狭い場合、または、中大深度(一般には15m以上)の場合などの大規模構造物に対して行われている。
 明確な基準もないことから、安全性が確認できない可能性がある場合については、以下の手法によって照査することが望ましい。
1)作用荷重の算定
特殊人孔の管渠開口部に作用する荷重の算定は、「(2)側壁」に準ずる。
なお、円形人孔の場合における偏荷重分(20%)については考慮する必要はない。
2)断面力の算定
開口部の検討を実施する場合の計算手法の一例として以下に示す。
また、これにより難い場合は、「トンネル標準示方書(開削工法編)H8.P277~P280」に記述された開口部のモデル化を行うことが望ましい。
2-1)円形人孔
開口部の補強鉄筋を配置できない場合や、開口面積が大きい箇所に対して、簡易的に以下にように両端固定梁で照査する。

2-2矩形人孔
開口部に接する側壁部は、側壁・スラブ面(頂版・中床版・底版)を支点とする片持ち梁として解析する。(2方向性が確保できる場合には考慮してよい)


 

2.名古屋市上下水道局
 矩形マンホールの各面に管が取り付くため、穴あき版となる。
穴あき版の取り扱い方法は以下のように行うが、計算で求まる断面力が小さくても壁厚,
配筋は同一断面における開口を有しない面と同等以上とする。

(i) 版の水平方向スパンが穴の大きさの 2.0 倍未満の場合  

(ⅱ) 版の水平方向スパンが穴の大きさの 2.0 倍以上の場合

(ⅲ) 版の鉛直方向スパンも穴の大きさの 2.0 倍未満の場合

(ⅳ) 穴があく場合の版のモデル化
穴があく場合の版のモデル化は図 2-3-11 に示すような三辺固定一辺自由版とする。

また、開口を有する面は隣接する側壁や床版からの支点反力が作用するので、図 2-
3-12 に示すように、その支点反力を受ける両端固定のはりとしてのチェックも必要で
ある

(ⅴ) 水平方向ラーメンで穴があく場合