CloudCompareの取説

 CloudCompareの操作手順

■STEP-1:データ読込
レーザー測量等で得た点群データから地表を抽出します。このままでは、樹木が支障となり、地表面がわかりません。

 

■STEP-2:フィルタリング
プラグインのCSF(Cloth Simulation Filter)を用いて点群データを解析し、地表に近いポイントをフィルタリングします。

CSF解説

1. Cloth Resolution (グリッドサイズ)
推奨値: 0.5 ~ 2.0(m) 小さい値 (例: 0.5): 高密度な点群データや詳細な地形(都市部、複雑な地形)に適しています。 精細な地形解析を行う場合に使用します。 大きい値 (例: 1.0~2.0): 低密度のデータや広範囲の緩やかな地形に適しています。 計算コストを抑えつつ、滑らかな地表モデルを生成したい場合に使用します。
2. Max Iterations (最大繰り返し回数)
推奨値: 50 ~ 100 通常は50程度で十分ですが、非常に複雑な地形やノイズの多いデータには100程度を試してみてください。 回数が多すぎると処理時間が長くなるため、必要最小限に抑えるのが良いでしょう。
3. Classification Threshold (分類閾値)
推奨値: 0.1 ~ 0.5(m) 小さい値 (例: 0.1~0.2): 地形と非地形の境界が明確で、精密な分類が必要な場合に使用します。 都市部や複雑な地形(建物、樹木など)のフィルタリングに適しています。 大きい値 (例: 0.3~0.5): なだらかな地形や、地形と非地形の境界が曖昧な場合に使用します。 より大まかな分類が求められる場面に適しています。
4. Export Cloth Mesh (布メッシュの出力)
推奨: 必要に応じてオン 地表シミュレーションの結果(布メッシュ)を確認したい場合にチェックします。 通常の地表抽出では不要な場合が多いです。

調整方法のポイント
初期値として以下を試してみてください: Cloth Resolution: 1.0 Max Iterations: 50 Classification Threshold: 0.2 処理結果を確認し、地形が正確に抽出されているかを評価します。 必要に応じて、Cloth Resolutionを小さくして詳細化するか、Classification Thresholdを調整して地表分類を改善します。

注意点
データ密度が非常に高い場合、グリッドサイズ(Cloth Resolution)が小さすぎると処理時間が増大します。 ノイズの多いデータや、樹木や建物が多いエリアでは、Classification Thresholdを慎重に調整してください。 最終的には、地形特性と処理要件に応じてパラメータを最適化する必要があります。

 

■STEP-3:等高線の作成

等高線作成の解説

1. 等高線の生成
A. 点群データから等高線を生成する場合
点群データを選択した状態で、ツールバーの「Rasterize tool」を開きます。 **メニュー「Tools」→「Projection」→「Rasterize (grid生成)」**を選択します。 「Rasterize」ダイアログが開きます。 Grid Step: グリッドサイズを設定します(例: 1m)。 Projection Type: データを「XZ平面」または「YZ平面」に投影する場合も設定しますが、通常は「XY平面」で問題ありません。 「Update Grid」ボタンを押して、グリッド表示を確認します。 ダイアログの「Contours」タブを開きます。 Generate Contoursをクリックし、等高線を生成します。 等高線の間隔を設定します(例: 1m間隔)。 「Export contours as polylines」をクリックして、等高線をポリライン形式で保存します。
B. メッシュデータから等高線を生成する場合
メッシュデータを選択した状態で、メニューの「Tools」→「Mesh」→「Cross Section」または「Contour Plot」ツールを使用します。 等高線間隔や平面の向きを指定して、等高線を生成します。

2. 結果の確認
生成された等高線は、CloudCompare内で「Polyline」形式として表示されます。 必要に応じて、ポリラインをエクスポート(DXFやSHAPE形式など)できます。