不同沈下計算

■不同沈下計算(リバウンド量の計算)

建築・土木構造物における不同沈下リスクを評価するため、以下の標準指針に準拠した不同沈下計算を行います。
「建築基礎構造設計指針」
「道路土工-軟弱地盤対策工指針」
計算手法の概要 地盤平面を格子状に分割し、各荷重が周辺地盤に及ぼす影響をNewmarkの長方形分割法により求めます。
➢即時沈下量(スタインブレナーの式による)
➢圧密沈下量(e-logP法、Cc法、mv法による)
➢圧密時間を考慮した残留沈下量


リバウンド量は、弾性理論をもとに算出することも可能です。

スタインブレナーの式を用いたリバウンド量の算定(弾性理論)
スタインブレナーの式は通常、矩形等分布荷重による地中の応力増加を求める式ですが、これを逆に用いることで「掘削による荷重除去=負荷の除去」によるリバウンド量が求められます。

地中の応力を求める式として、スタインブレナー式とBoussinesq(ブシネスク)式があります。どちらも地中応力解析に用いられる古典的な理論ですが、目的や前提条件、適用範囲に違いがあります。以下に違いを表形式とポイントで整理します。


  スタインブレナー式 Boussinesq式
面荷重・盛土荷重 ◎対応可能(矩形面) △(点荷重のみ)
深さ方向の応力 ◎ 表や係数で深さごとの応力を簡単に求められる ◎ 数式で深さや位置の応力を正確に計算できる
使いやすさ ◎係数表を使うだけ △計算が煩雑(特に面積積分時)
精密解析 △近似解 ◎厳密解(理論ベース)

(まとめ)
 実際の基礎や盛土は広い面で荷重が加わるため、Boussinesq式(点荷重)では対応が難しい。 スタインブレナー式は、面荷重を多数の点荷重に分解して積分することで得られた実務向け解(近似)です。 そのため、精度と実務性のバランスが取れており、地盤変形・沈下解析に多用されます。